楽曲紹介 ≫ セルフエンライテメント
この日を館長は待っていました。僕と一緒に「読み方」を知るため、最期まで読み続けて頂けませんか?
出現条件
エンディングとこの曲を除くすべてのSTANDARD楽曲を解禁した後、STAGE2に出現。
5BUTTON | 26 |
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NORMAL | 36 |
HYPER | 48 |
EX | 50+ |
GRAPHICS
140/fth我こそは本の虫。書物と共に生き、活字を喰らい、己が糧とするものである。 書物は、言葉は、歴史と事実を紡ぐものである。そこにあるもの、あったもの、 それらを表す言葉の群れを、私は平らげてきたのだ。 文字は事実と実在の体現であるという心情の下、 私は作り物を否定してきた。架空を、魔法を、疑似科学の数々をただの嘘だと否定した。 科学と事実を武器に、ばかげていてありえないのだと一笑した。 目に見えない世界と、そこに没頭する者共を、本諸共に唾棄してきたのだ。 故に、私は知らなかったのだ。 私の向かいの机で、本を積み上げ読む彼女らが、 一体なぜあれほどまでに異界譚に目を輝かせているのかを。 一瞬見えた背表紙の主題と同じものを手に取って、内容に目を通すと。 ふん、何のことは無い、やはり凡百なる、空想を描いたものであった。 私は文字を通して世界を頭に描き起こすことができなかった。 所詮空想だからと、そうしようとも思わなかったのだ。 されど彼女らを見るに。本の頁をめくる手は止まらない。 本と顔の間にあるわずかな空間に、戦地に赴かんとする英雄たちが将におり、 彼らの活躍と、その行く末に、空想に心を躍らせ、 この物語の行く末を知りたいと、瞳を輝かせている! 「所詮空想だからと、そうしようとも思わなかったのだ。」 待て。待つのだ。本の虫であるこの私が。彼女らと同じことが出来ないだと? 何億もの活字を喰らってきた私の、この活字で詰まった頭が、空想に劣るなど! ところがである。下してきたが故か。出来ないのだ。私には見えないのだ。 王らの暮らす白亜の壁に囲まれた荘厳な城、賑わう城下町の活気。 その賑わいを暗めていく紫電を放つ暗雲、たちまち陰に包まれ不安に駆られる民の狼狽、 雲間に紛れて飛来した蝙蝠の翼をもった大蜥蜴の、柘榴のように光る眼光。 蜥蜴の鳴声を合図に口より業火が放たれて、為す術もなく街が焼き尽くされていく! 目の前の凄惨な有様に絶望しかける騎士たち。 蜥蜴の打倒を誓い、仲間と共に、わずかな仲間たちと共に、地平へ続く道を旅立つ…… ……その光景が!どこにも!無いのだ!何一つとして!!私の中に!!! 我こそは本の虫。活字を喰らい、己が世界とする者である。 その自負に恥じぬ、本の読み手でなければならないのだ!! 文字が事実と実在の体現であるならば、そこに世界がなくてはならない!! 故に私は読まなければならぬ! その世界を、空気を、彼女らと同じ好奇心を持って!! 読まなければならぬ。読めなければならぬのだ!我が生命の全てを賭して……!
背景画像3DCG部分担当の140/fthです。セルフエンライテメントというジャンルの提案者でもあります。文字と言葉が表す心情に、意味に、世界が醸すその空気に。届かねばならぬ、読まねばならぬという狂気の歌です。
ここに来るまでに、いっぱい本(楽曲)に出会ってきたことでしょう。私たちの描いた挿絵と一緒に、本は楽しんでくれたでしょうか。最後の1ノーツを叩き終えるまでに、何かそこに、1つの世界があるような感覚に浸れたでしょうか。
そうであればと、願う次第ですが、そうであったなら、私はもう言うことはありません。
FROM STAFF
Takuya Nambaみなさま、楽しんで頂けましたでしょうか。現館長の難波拓哉でございます。
Toy Musical 3に参加したとき、そのメンバーの中での最若手BMS作者でした。若さゆえに無茶、過ち、ありえないことをたくさんしただろう、と今では思います。(それの尻拭いのように10年前の曲を実装する羽目になっているのですが…)
ただ、ルゼ館長が多忙により1年に1度の更新となり、ついに聖徳での更新もなく… そうなったとき、私はつい「手伝えることは有りませんか?」と声をかけてしまいました。それは、自分が迷惑をかけた「自作音楽ゲーム」というシーンへの償いでもあったのかもしれません。運がいいことに、激辛党先生から引き継ぎしていただけるプログラマーの方は見つかっていたため、主要なテストプレイヤーの再招集から始め、打ち合わせ環境の構築など、「裏方」に徹しなんとかアップデートを行えるような状況に持ってきました。アクティブなプレイヤーの方も数人戻ってきて頂いておりまして、報われたなあ、と感じる次第です。
その形での、最後の本になります。でも、さようならではありません。まだお見せできない書庫がまだまだあります。その準備のために、また、少し時間をいただきます。また会いましょう。
(いずれこのコメントが修正される日まで。)
Please keep playing Toy Musical 3.
アクシル選曲画面に赤く刻まれた「50」の数字は、その身が灰になることを厭わずに本と向き合った事への栄誉の証、目を覆いたくなるような凄惨な内容に、栞が色を失いボロボロになったとしても、この本と巡り合ったことを、胸を張って誇って下さいね
って実装一週間でイージークリアされてるー!?!?!?
MUSIC INFO
ルゼ