楽曲紹介 セルフエンライテメント

セルフエンライテメント
reading
Toy Musical
この日を館長は待っていました。僕と一緒に「読み方」を知るため、最期まで読み続けて頂けませんか?

出現条件

エンディングとこの曲を除くすべてのSTANDARD楽曲を解禁した後、STAGE2に出現。

5BUTTON 26
NORMAL 36
HYPER 48
EX 50+

MUSIC INFO

このSTANDARDモードという取っ散らかった書庫の捜索…いや私にとっては創作ですか。私は志半ばで最前線に立つ事が難しくなってしまい次の世代に引き継ぎを行った身です。

買い物をしていたら旅行が始まったり、探索していたら未知の存在に襲われたり。次の部屋が急に変わって知らない書庫や懐かしい書庫に出会えたりもしたでしょう。一瞬しか出会えない書籍もありました。思い付きとはいえ聖徳が本編に絡む日が来るとはね。

「曲を集める」世界を創りたいと願い、当時の私は三度設計図を手に取りました。

…そして今。新たな館長の手によって、世界が本で満ちている!

ところでSTANDARDの世界は本で例えると、後書きを忘れていました。これは旧館長であり、設計図を書いた私がやり忘れていたことであり、宿題を提出する日が遂にやってきたという事です。

ここまで辿り着いた方へ心を込めた地獄。これ以上先に進まれると、ひとつの世界が終わってしまう。最後の部屋、いや違う。最初の部屋で取り残され夢を見続けている旧館長ですが…

この先にはエンディングという終わりしか残っていません。だからこそ、ここまで辿り着いて下さったあなたに感謝の気持ちを込め、この"reading"という後書きを以て、あなたの歩みを止めさせて頂きます。

ちなみに次の展望については新館長に渡してあります。このToy Musical 3という世界そのもが終わるわけではありません。大掛かりな準備が必要ですが、進捗としては現実味が出つつあります。実現したら、皆様に新体験をお届け出来るかもしれません。その時が来たら、もう一度私の夢と悪戯にお付き合い下さい。またその日まで。

Thanks for playing.

ルゼ

GRAPHICS

我こそは本の虫。書物と共に生き、活字を喰らい、己が糧とするものである。
書物は、言葉は、歴史と事実を紡ぐものである。そこにあるもの、あったもの、
それらを表す言葉の群れを、私は平らげてきたのだ。

 文字は事実と実在の体現であるという心情の下、
私は作り物を否定してきた。架空を、魔法を、疑似科学の数々をただの嘘だと否定した。
科学と事実を武器に、ばかげていてありえないのだと一笑した。
目に見えない世界と、そこに没頭する者共を、本諸共に唾棄してきたのだ。

 故に、私は知らなかったのだ。
私の向かいの机で、本を積み上げ読む彼女らが、
一体なぜあれほどまでに異界譚に目を輝かせているのかを。

 一瞬見えた背表紙の主題と同じものを手に取って、内容に目を通すと。
ふん、何のことは無い、やはり凡百なる、空想を描いたものであった。
私は文字を通して世界を頭に描き起こすことができなかった。
所詮空想だからと、そうしようとも思わなかったのだ。

 されど彼女らを見るに。本の頁をめくる手は止まらない。
本と顔の間にあるわずかな空間に、戦地に赴かんとする英雄たちが将におり、
彼らの活躍と、その行く末に、空想に心を躍らせ、
この物語の行く末を知りたいと、瞳を輝かせている!

 「所詮空想だからと、そうしようとも思わなかったのだ。」
待て。待つのだ。本の虫であるこの私が。彼女らと同じことが出来ないだと?
何億もの活字を喰らってきた私の、この活字で詰まった頭が、空想に劣るなど!

 ところがである。下してきたが故か。出来ないのだ。私には見えないのだ。
王らの暮らす白亜の壁に囲まれた荘厳な城、賑わう城下町の活気。
その賑わいを暗めていく紫電を放つ暗雲、たちまち陰に包まれ不安に駆られる民の狼狽、
雲間に紛れて飛来した蝙蝠の翼をもった大蜥蜴の、柘榴のように光る眼光。
蜥蜴の鳴声を合図に口より業火が放たれて、為す術もなく街が焼き尽くされていく!
目の前の凄惨な有様に絶望しかける騎士たち。
蜥蜴の打倒を誓い、仲間と共に、わずかな仲間たちと共に、地平へ続く道を旅立つ……

……その光景が!どこにも!無いのだ!何一つとして!!私の中に!!!
我こそは本の虫。活字を喰らい、己が世界とする者である。
その自負に恥じぬ、本の読み手でなければならないのだ!!
文字が事実と実在の体現であるならば、そこに世界がなくてはならない!!

 故に私は読まなければならぬ!
その世界を、空気を、彼女らと同じ好奇心を持って!!
読まなければならぬ。読めなければならぬのだ!我が生命の全てを賭して……!

背景画像3DCG部分担当の140/fthです。セルフエンライテメントというジャンルの提案者でもあります。文字と言葉が表す心情に、意味に、世界が醸すその空気に。届かねばならぬ、読まねばならぬという狂気の歌です。

ここに来るまでに、いっぱい本(楽曲)に出会ってきたことでしょう。私たちの描いた挿絵と一緒に、本は楽しんでくれたでしょうか。最後の1ノーツを叩き終えるまでに、何かそこに、1つの世界があるような感覚に浸れたでしょうか。

そうであればと、願う次第ですが、そうであったなら、私はもう言うことはありません。

140/fth

FROM STAFF

みなさま、楽しんで頂けましたでしょうか。現館長の難波拓哉でございます。

Toy Musical 3に参加したとき、そのメンバーの中での最若手BMS作者でした。若さゆえに無茶、過ち、ありえないことをたくさんしただろう、と今では思います。(それの尻拭いのように10年前の曲を実装する羽目になっているのですが…)

ただ、ルゼ館長が多忙により1年に1度の更新となり、ついに聖徳での更新もなく… そうなったとき、私はつい「手伝えることは有りませんか?」と声をかけてしまいました。それは、自分が迷惑をかけた「自作音楽ゲーム」というシーンへの償いでもあったのかもしれません。運がいいことに、激辛党先生から引き継ぎしていただけるプログラマーの方は見つかっていたため、主要なテストプレイヤーの再招集から始め、打ち合わせ環境の構築など、「裏方」に徹しなんとかアップデートを行えるような状況に持ってきました。アクティブなプレイヤーの方も数人戻ってきて頂いておりまして、報われたなあ、と感じる次第です。

その形での、最後の本になります。でも、さようならではありません。まだお見せできない書庫がまだまだあります。その準備のために、また、少し時間をいただきます。また会いましょう。

(いずれこのコメントが修正される日まで。)

Please keep playing Toy Musical 3.

Takuya Namba

選曲画面に赤く刻まれた「50」の数字は、その身が灰になることを厭わずに本と向き合った事への栄誉の証、目を覆いたくなるような凄惨な内容に、栞が色を失いボロボロになったとしても、この本と巡り合ったことを、胸を張って誇って下さいね

って実装一週間でイージークリアされてるー!?!?!?

アクシル
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